肝細胞癌について

肝細胞癌について

肝動脈化学塞栓療法

塞栓療法

鼠径部の血管からカテーテルを挿入して行われるため、外科的手術に比べて、低侵襲であり、入院期間も大幅に短縮される治療法である。原則として4個以上では第一選択となっている。経カテーテル肝動脈化学塞栓療法 TransArterial ChemoEmbolization (TACE) は、カテーテルを腫瘍支配動脈に選択的に挿入し、リピオドールと抗がん剤を混和させた懸濁液を注入した後、塞栓物質(ジェルパート)を後から詰め、腫瘍を虚血壊死に至らせる治療法(conventional TACE: cTACE)や薬剤溶出性の球状塞栓物質を用いた治療法(DEB-TACE)が推奨されている。 IVR専門医が実施した結果によると、cTACEの治療成績として、抗がん剤としてエピルビシンを使用した場合、奏効率82%、1年生存率94.5%、2年生存率76.7%であった1)。DEB-TACE(海外データ)では、奏効率が51.6%であった2)。
IVR専門医とは : 日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会が認定する医師で、一定以上の実績や知識が必要。
http://www.jsir.or.jp/

1) Jpn J Intervent Radiol 2012:27:299-304 2) Cardiovasc Intervent Radiol 2010:33:41-52

治療アルゴリズム

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注: ガイドラインは目安であり、患者の希望や腫瘍の状態、施設の設備環境、術者の経験や知識、技量などにより、肝動脈化学塞栓療法が実施できる可能性もありますので、専門の医療施設にご相談ください。