『コロナ禍のRSNA2020』
自治医科大学附属さいたま医療センター 真鍋徳子先生
振り返るとはじめてのRSNAは2001年のNY同時多発テロ(9.11)の直後であり、多くのアメリカ国内からの参加がキャンセルとなり、シカゴ自体もテロへの警戒レベルが高く、シカゴのシンボルタワーであるウィリスタワー(当時はシアーズタワーと呼ばれていた)も入場制限があったように覚えている。それから20年にわたり何度も現地で参加してきたが、シカゴでのお楽しみ(写真1)は今後にとっておくことにして、日本の日常業務と併走できる新しいRSNA参加様式を享受しようと思って臨んだ。時差15時間であるため、現地朝8時半のライブセッションを夜11時半の寝る前に、現地午後5時のセッションを朝職場で仕事しながら聴講する一週間となった。とはいえ、そのほかにもたくさんの興味深いセッションがあるので、ライブではなくオンデマンドと組み合わせてなるべく多くのセッションを視聴するようにした。尚、ライブセッションはon-timeで質問を受け付けているので(セッションが終わると同時に質問も受け付け終了)、現地でface to faceで質疑応答するよりは(写真2)、英語も通じやすいし、ぐっとハードルが低く感じた。
尚、参加者は水曜のDaily Bulletinによる発表では26,318人ということで、参加登録は例年より20%増加したそうである。
いくつか興味深かったものを(注:好みには偏りあるが、ご容赦を)紹介させていただく。
・COVID-19関連:驚くべきことにCOVID-19関連は全部で74(!)のセッションがあり(内訳はFeatured education and science sessions9, education exhibits 51, science abstracts14)、すべて見きれていないが、まずは心血管合併症、救急を中心に拝聴した。scientific sessionは米国以外にヨーロッパと中国からの演題で、どこも今年の3-4月にかけて経験された数十例の症例を集めて検討していた。パンデミックが起き、現場が混乱を極める中で6週間程度の短期間にデータを集め、RSNAに演題を出すという丹力に感服したし、実際に遭遇し悩んでいた症例に似た事例をたくさん勉強できた。またHot Topic sessionのImpact of COVID on Workforce Resilienceはコロナ禍の中で放射線科組織をどのようにマネージメントしていくかという示唆に富んだ内容で、多くのことを考えさせられた。
・心臓関連:多くの演題があるが、時間のない方はdigital posterの受賞演題を中心にみることをお勧めしたい。力作揃いであるが、Magna Cum Laude受賞(CA124-ED-X)はまさかの心電図の読み方の発表で、最新の撮影法の演題でなくとも、多くの放射線科医が苦手としているであろう心電図を取り上げた教育的な切り口が評価されるという良い例であったと思う。またECMO下での造影CTの発表(CA144-ED-X)は、独特のアーチファクトを血行動態の解説とともに詳しく説明しており、COVID-19陽性のECMO患者の造影CTを評価するために必要な知識を得ることができ、大変参考になった。
RSNAでは毎年機器展示も目玉であり、心臓領域はPhilips社が満を持してFeature trackingによるストレイン解析と4D-flow MRI解析ソフトをリリースした。Canonのバーチャル機器展示はかなり凝った作りとなっていて、見応えがあった。RSNA会期後もアクセス可能であるそうなので、ご興味のある方はぜひアクセスを(キヤノンメディカルシステムズRSNA特設サイトhttps://www.canonrsna20.com/)。
海外の学会に参加する醍醐味は、現在のRadiologyの潮流を感じ、世界の中での日本そして自分の立ち位置を確認すること、そしてnetworkingにあると思っている。今回はコロナ禍の中であっても、学会を通じて世界中の放射線科医にいままでない親しみを感じた。一方で、シカゴのあの空気感が恋しくもあり、安全に現地参加できる世の中に再び戻ることを願っている。
写真1:今回はシカゴの写真ないので、前回参加時のあるディナーの一枚。1パウンドのステーキのボリューム!
写真2:前回参加時のdigital poster前での質疑応答。マスクのない三密が懐かしい。相手の顔が見える良さはやはり現地ならでは。
『RSNA2020のvirtual conferenceでの腹部領域のトピックス』
広島大学 放射線診断学 中村優子先生
2020年11月29日から12月5日まで、第106回北米放射線学会(RSNA2020)が開催された。例年であれば、シカゴ開催であり、まず今年のシカゴの天候について述べたいところであるが、ご存知のごとく、現在も猛威を奮っている新型コロナウイルス感染はついにRSNAにも影響を及ぼし、今年は完全なvirtual開催となった。準備からirregularなことが多く、みなさんもなにかと苦労したのではないだろうか。特にこれまでscientific sessionは口頭発表とポスター発表に分けられていたが、今年は口頭発表がfeatured sessionとon demand sessionに振り分けられ、録音したスライドの事前アップロード、featured sessionは指定された時間にchat boxでの質疑対応が求められた。最近では国内でも新型コロナウイルス感染の対策としてオンラインやwebでの対応が増えていたため、なんとか対応できたものの、やはり新しいシステムはなにかと不安なことが多かった。
さて肝心の腹部領域のトピックスであるが、筆者は肝臓セッションを中心に聴講したため、肝臓に限局した報告となっているが、あらかじめご了承いただきたい。昨年同様、今年のRSNAではArtificial intelligence (AI)を用いた演題が多く、肝臓領域でもAIに特化したセッションが設けられていた。また本年に限ったことではないが、American College of Radiology (ACR)が提唱している肝細胞癌 (Hepatocellular carcinoma: HCC)の診断アルゴリズムであるLiver Imaging Reporting and Data System (LI-RADS)関連の演題が多く見受けられた。そしてHot topic sessionでは、腹部はAbbreviated MRIが取り上げられていた。これらのテーマにつき、私見を述べる。
AI領域では、診断にAIを用いる演題も見受けられたが、個人的には診断は流動的であり、時代にあわせ常に変化すると感じていることから(現にRSNA2020のテーマはHuman insight/Visionary medicineとされている)、補助にはなりえても(スクリーニングなどには有用かもしれない)、主となることはないのではないかと考えている。むしろ画質の改善にAIを使用することはAIの非常によい使い方であり、代表としてCTやMRIで近年開発されたDeep learningを取り入れた画像再構成が挙げられるが、これに関する演題も増えていた。次にLI-RADS関連では、今年はLI-RADSに2017年から採用されているHCCの治療効果判定アルゴリズムを用いた演題が多く見受けられた。LI-RADSは我が国では日常診療で用いている施設は少ないのではないかと思うが、LI-RADSのkey note lectureでは、LI-RADSはあらたなHCCの治療への効果判定や新しい撮像技術、AIも視野にいれ、updateが試みられており、肝画像診断をすべての面から包括できるようになることを目指していると紹介されており、LI-RADSは今後無視できない存在になると感じた。最後にAbbreviated MRIについてであるが、Abbreviated MRIとは、従来の撮像シークエンスを簡略化することで検査時間を短縮したスクリーニング目的のMRI検査である。以前から耳にはしていたが、個人的にはMRIは精査に用いられることが多いことから、すべてのシークエンスを用いて診断を行う必要があり、そのうちすたれるだろうと思っていた。しかしながら、Abbreviated MRIは、HCCのサーベイランスに使用される超音波のHCC検出感度が低いことから、その代打としての有用性が注目されるようになっており、今年のRSNAではhot topicとして紹介され、Abbreviated MRIのscientific sessionまで組まれていた。我が国でも今後精査のみならずスクリーニングにもMRIが用いられる時代が来るのかもしれない(件数が爆発的に増えそうで、その際はぜひAIに活躍してほしい)。
例年のRSNA参加では、研究面や言語面など、あらゆる面でRSNAは私を叱咤激励してくれるため、自分を奮起させるよい機会となっているのだが、今年は自分のデスクから自分のペースで演題を聴講できるものの、国内で従来どおりの業務終了後に演題を聴講しながら、本当に今週はRSNAが開催されているのだろうかと懐疑的になってしまう自分がいた(本執筆がなければ、どこまで演題を真剣に聴講する気になったか甚だ疑問であり、このような執筆機会を頂けたことに感謝したい)。やはりシカゴに行き、RSNAという会場に足を運べることが重要なのだと痛感した。新型コロナウイルス感染が一刻もはやく収束し、また従来どおりRSNAがシカゴで開催される日がくることを期待したい。
写真1 RSNA2019のポスター会場での当科の医局員の風景
写真2 RSNA2019で撮影した翌年のRSNA2020の宣伝ポスター
『RSNA 2020 中枢神経系領域について』
京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座(画像診断学・核医学) 伏見育崇先生
Web開催されたRSNA 2020に参加しました。時差の関係もあり、オンタイム初めての試みと思われますので、主催者のご苦労は察するに余りありますが、私が参加したセッションなどでは、オンライン開催で時々見られるようなマイクトラブルは見られず、音声も多くが良好に聞き取れました。さすが、RSNA! リアルタイム参加のセッションであっても、巻き戻して再生することができたため、ストレス無く視聴することができました。通常の診療・生活をしながらのWeb参加だったので、RSNA会場で学会の雰囲気を感じるような没入感はあまり無かったですが、会場を移動すること無くセッションに参加でき、開催時間が重なっているセッションであっても後日に再度視聴が可能であったため、現地開催よりも便利な点も多々あることを実感しました。これは不都合な真実のような気がしました。以下、興味深かった演題などをお示しします。
なんと言っても、COVID19関連。中枢神経系領域のCOVID19関連の病態の報告では、患者数の多いアメリカならではの多彩な所見が報告されていました。
Dr. Christopher G. Filippiによると、初期は通常の検査が急に少なくなり、次に、梗塞・出血・大血管閉塞などが見られたそうです。凝固能亢進による血栓性、凝固異常に伴う出血、血管内皮障害(IL-6などによるサイトカインストーム)などが要因としてあるとのことでした。亜急性期・慢性期では、脳症(ICU brain, 低酸素・虚血、PRES)、微小出血、分水嶺梗塞、稀だが脱髄(ADEM, GBS)なども見られるようです。Unpublished dataとのことですが、2ヶ月間で、脳症または精神症状を呈した141例のCOVID19陽性のICU患者に対して脳MRを行って71例に何らかの陽性所見を認めたそうです。Juxtacortical microhemorrhageなどCOVID19に特異的な?所見も集積しつつあるようです。全く新しい疾患であるCOVID19による中枢神経系異常に対して、苦慮されながら対応されてきた過程を経時的に垣間見ることができました。
Dr. Rajan JainもNYUにおけるCOVID19対応、NYU Family Connect Teamの活動、レジデント教育対応, Virus-Associated Necrotizing Disseminated Acute Leukoencephalopathy (VANDAL)などを示していただきました。
Dr. Ajay GuptaからはCOVID19とStrokeの関係、疫学などをreviewを交えてわかり易く示していただきました。既に多数のreview article, systemic reviewなどが行われていることにも驚きました。Nature Medicine 2020 Extrapulmonary manifestations of COVID-19は勉強になりそうです。
脳脊髄液減少症からは、post myelography CTにおけるearly renal pelvic opacificationの紹介がありました。Spinal longitudinal epidural CSF (SLEC)の陽性例では早期腎盂濃度上昇が見られ、SLEC陰性でもCSF-venous fistulaがある例では早期腎盂濃度上昇が見られたとのことでした。CSF spaceと硬膜外静脈との短絡についても、直接的な短絡、meningeal diverticulaの破裂?やクモ膜顆粒による吸収亢進などが挙げられていました。
MRgFUSの実際、Photon-counting CTなど、最先端技術の紹介も非常に興味深いものでした。
COVID19の早期収束、シカゴでの参加の実現を祈念致します。写真は2019年に撮影したシカゴの夜景です。
『RSNA2020 virtual conference Neuroradiology / Head & Neckについて』
東邦大学医療センター大森病院放射線科 堀 正明先生
皆様ご存知のとおり、RSNA2020はオンラインのvirtual conferenceとなりました。参加登録をして、口演などを閲覧しようと意気込んでいても、リアルタイムの講演は日本時間で夜中であり、その後のオンデマンドの講演も、視聴のために1時間とか2時間を空けるのがなかなか難しく、結果ポスターを中心に閲覧しているのが、私自身の正直なところです。シカゴまで行ってしまえば、他の業務で煩わされることはないと思いますが、日本にいて「RSNAのこの講演を見たいから2時間、昼間に時間を確保する」というのは、なかなか難しいのではないでしょうか。
さて、今回のNeuroradiology / Head & Neckのデジタルポスターですが、全体的には前年度同様の内容で、画像と病理の対比がやはり王道であると感じました。実際に受賞しているポスターは、そのようなものが多いです。また、今年のトピックスの1つが、COVID-19に関する発表であるかと思います。Neuroradiology / Head & Neckのデジタルポスターで「COVID」で検索すると、15程認められます。この領域におけるデジタルポスターは全体で310であるので、やや多い感はありますが、ご時世を考えますと当然です。なお、あまり中枢神経に詳しくない方のために簡単に説明しますと、COVID-19感染に伴う中枢神経の病変は多岐にわたることが知られています。いわゆる脳血管障害(血管閉塞、脳梗塞や出血)の他、脳炎、白質脳症、脱髄等の報告があり、画像としては主にMRIによる論文による報告も増えつつあるのが現状です。前者は、血栓形成に伴う変化が理由の1つとしては考えられますが、後者に関してはサイトカインの関与などの推測はされているものの、その機序の詳細は現段階では不明な部分が多いと思います。そのほか、感染後脳症や脊髄炎、末梢神経障害も知られています。これら神経病変の正確な頻度は人種や地域によっても異なり、本邦におけるその頻度はおそらくあまり高くないと予想されますが、RSNAのポスターによくある表現を借りると、「Radiologist Needs to Know」であることは間違いありません。
余談ではありますが、今回のデジタルポスターの1つ、NR202-ED-X(ペンシルベニア大他)のタイトルがなかなか秀逸であったので紹介したいと思います。「Navigating the Uncharted Waters: What the Radiologist Needs to Know About CNS Involvement by this Crazy Odd VIrus of December 2019 (COVID-19)!」。
さて、オンラインの学会参加は、教育的展示などはゆっくり自宅などから閲覧できるという利点はあるものの、学会というよりは出来のよい、up to dateの教育的コンテンツを見ているような気がします。来年こそは、オンサイトでの参加ができるような世界であることを強く望みます。
『RSNA2020Web開催でのトピック、機器展示の印象』
東海大学医学部専門診療学系画像診断学 丹羽 徹先生
今回のRSNAは全面的にWeb開催であった。RSNA特有の雰囲気は味わえないものの、長距離移動や時差ボケがない、広い学会場内の移動をしなくてすむ、スライドがじっくり見られる、多数の講演をオンデマンドでみられるなど利点も多く感じられた。Web上の構成には趣向が凝らされていた。スライドは演題を見るときに全スライドも同時に表示され、現在どこをみているかがわかりやすい構成になっている、1枚のslide中の複数の動画がスムーズに再生され、アニメーションも問題なく表示される、ある演題を閲覧中に関連のありそうな演題がリストアップされるなど、Web学会としてとてもよくできており、本邦の学会も参考にすべき点があるように思われた。
AIは今回もtopicの一つで多くの演題が発表されていた。病変の検出、画像所見からの予後予測、画質改善(ノイズ除去や高分解能化)、病変・関心領域の抽出などは近年の主なテーマになっていると思われる。今回は、AIを用いて、教育用の画像作成や、小児虐待の骨折診断など、さらにその応用は広がっていることを感じた。本邦では一部AIによる診断補助が画像診断装置(PACS viewer)でも使えるようになってきているが、現状ではまだ、限定的である。一方、海外では多くのAI製品が発売されているようである。今回100のAI画像診断製品を検討した演題があり、個人的にはとても多くの製品がすでに発売されていることを知り驚いたが、一方、本演題ではこれらの製品のうち18製品しかlevel3以上の論文として発表されていないと報告されており、多くのAI製品の検証はまだこれからということのようである。
小児や胎児では、十分な撮像時間がかけられない、動きがあるなど、撮像に制限があるが、以前では十分な画質が得られにくかった胎児の領域の画像評価に関する演題もみられた。Quantitative susceptibility mapping(QSM)による先天心疾患胎児における静脈洞内の酸素化評価や、virtual endoscopy(3D)にて胎児の四肢末端の評価を行う演題があり、近年の装置のS/N向上や撮像時間の短縮により、応用が広がったものと考えられる。
機器展示では、まさにvirtual展示を体験できた。Web上ではあるが、展示ブースに足を運んで、担当の方の説明をうけ、機器をみるようなvirtualな環境が再現されており、興味深かった。企業のセミナー、講演もあり、学術のみならず、医療機器に関する検討、今後の展望などを世界の医師、研究者などからの意見を聞けるのも参考になった。今回は、新しいレポーティングシステムの紹介に関する講演があった。我々の読影報告書は従来からあまり変化しておらず、一部キーイメージやリンクの機能がある装置もあるが、多くの施設では基本的には文字(テキスト)を中心としたものであると思われる。RSNAでは、画像、レポート、カルテ内での相互のリンクを強化したものが紹介されていた。すなわち、過去画像をキーイメージとして貼り付けると、自動的に「xx年yy月zz日のMRIと比較」といった文字がレポートに記入される、ハイパーリンク機能でレポートの文字をクリックすると、viewerが起動し、viewer上でその所見や前後の画像が確認できる、といったものであった。本邦でも一部ハイパーリンク機能を有するものがあることは知っていたが、RSANで紹介されていたシステムは、さらに機能を強化したものであった。「百聞は一見に如かず」ではないが、読影報告書で文字を中心に長々と説明するよりは、今後は画像を中心に所見を説明するようなレポートに変わっていくかもしれない。少なくことも個人的にはこのようなことは望ましいと考えており、今後、本邦のPACS・レポーティングベンダーにも機能を拡張していただきたいと思った次第である。
以上、個人的に気になった点をレポートさせていただいたが、学会の全体像は大きく、とてもすべてを網羅できない。ただし、会員/登録の状況によっては、2021年4月30日まで閲覧できるので、これからも少し時間をかけて講演を見ていこうと考えている。
『Web開催のRSNA2020 迷子にならないために』
筑波大学医学医療系臨床医学域放射線診断IVR学 中島崇仁先生
今年のRSNAはWeb開催で捉えどころが難しく、得るものがいつもより少なかったように思います。今回はWeb上で迷子にならないように、これまでのオンサイトでの参加を思い出してWeb参加をしてみました。来年は新型コロナウイルスが落ち着いてオンサイトで参加できることを希望して、ここでは私なりの例年のシカゴでのRSNA参加の仕方を紹介します。
毎日のリズムを作るために、Case of the dayという症例当てクイズがお薦めです。当日の夜中の12時が〆切りなので、夕食の後にホテルでPCやタブレットで症例を見て回答しておくと、翌日の午前中にメールで症例毎に正解・不正解の結果が届きます。ポスター会場の入り口には症例展示がありますので、午前中会場で特に聞きたいセッションがない場合は、他の人が集まって議論しているのを聞きながら、自分の回答を考えておくのも良いかもしれません。今年も深夜にやってみましたが、意外といつも通りにできました。
今回、RSNAの会員は参加費無料かつWebの閲覧無料という事になっていますが、これまでもVirtual meetingという形で、150ドルのオプションを選択すると、オンラインでリアルタイムもしくはOn-Demandで自分のPCやタブレットからアクセスする事が可能でした。あとで見直す事は少ないのですが、現地で参加するのにとても重要なサービスです。時差の関係で4時か5時には起きてしまうので、PCやタブレットを開いて、On-Demandで自分の気になるセッションを見ます。朝ですととても集中して勉強ができます。私のようなデジタルガジェット好きは、タブレットで閲覧しながら、PCで知らなかったことなどを調べていきます。そして、おなかがすいたら朝ご飯です。今回も日本時間の深夜にあるセッションをリアルタイムで聞かずに、朝ご飯を食べながらOn-Demandになったセッションを聞くのが正解だったように思います。
お昼は会場でご飯を食べながら、同じ大学の先生とは今年はどこが見どころかなどを話したり、友達や知り合いの先生とは久しぶりの再会でいろいろな情報交換をしたりします。今回バーチャルミーティングという機能がありましたが、実際に会わないと話が盛り上がりません。貴重な情報源でもあったので、ここは日本の学会も含めてなんとかしてもらえると良かったです。
午後は余裕があれば、機器展示会場に参加します。企業ブースのレセプション(受付)に行って、ジャパニーズスタッフをお願いします、と言えば、大抵はどなたかが対応してくださると思います。予めメーカーの方とアポイントメントを取っていることも多く、今回のWeb開催では日本人スタッフの方が日本で日本時間で準備していただけており、丁寧にWebで対応していただけたので、新しい技術についてはいつも以上に知ることができたと思います。
シカゴは日本食も含めおいしいお店がありますので、夕食は夜のセミナーなどのビュッフェではなく、ぜひシカゴの街に食べに行くようにしてください。たくさん食べておくと、力がわきます。今の日本でも皆さんと一緒にご飯を食べる機会がないですので、来年こそはシカゴに行けたら力がわいてくると思います。来年はオンサイトでの開催を希望しますが、Web開催になったとしても、バーチャルでこのような感じで参加してみると、Web会場の中を迷子にならなくて済むかと思います。
筑波大学附属病院の読影室にて