肝細胞癌について

肝細胞癌について

症状と患者数

症状

  • 肝細胞癌の多くは、進行癌になるまでほとんど症状を有さない。通常は併存する肝硬変の症状や臨床所見を示す。
  • 巨大あるいは脈管浸潤を示すような高度進行癌では上腹部もしくは右季肋痛(腹部の右上の肋骨辺りに押されるような痛みがあること、右側に肝臓があるため)がみられることがある。
  • 肝予備能が悪化すると、黄疸(皮膚や粘膜が黄色くなること、白目、顔や腕などの皮膚)、腹水による腹部膨満、下肢浮腫などをきたす場合がある。
新臨床内科学:医学書院

肝細胞癌 罹患率・患者数など

  • 肝がんは予後不良の疾患であり、世界的には悪性新生物の中では死因の第2位になっている
  • 全世界で約78万人(男性55万、女性23万)が罹患しており、全がん種中第6位(5.6%)である。
  • 日本では2013年の主要部位別がん年齢調整(高齢化の影響を除去)死亡率(人口10万人対)では、肝がんは悪性新生物全体で第5位である(男4位、女6位)。
  • 1985年を基準とした年齢調整死亡率の年次推移では、肝がんは男女ともに減少傾向であるが、死亡実数は依然として毎年3万人(男性約2万人、女性約1万人)にのぼる。

肝がん白書